月と太陽の事件簿1/月明りに照らされて
「その清水さんがなぜここで?」

「あの、電話があったんです」

紀子さんは遺体を見ないようにしながら、説明をはじめた。

それによると清水さんは別荘に到着すると身仕度もそこそこに、すぐ外出したそうだ。

そして午後7時40分頃紀子さん夫婦のいる管理事務所に、電話をかけてきた。

『別荘に帰る途中で転んで頭を打ってしまった。足も痛めてしまったようで歩けない。申し訳ないがここへ救急車を呼んでほしい』

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