生徒会室での甘い時間は刺激的ーオメガバースー

1



朝。

ここは学校。


俺の名前は、颯馬道永(そうま みちなが)。

高校3年生だ。


あ、……フラフラする。

動悸もするし……立ち眩みもする。

……ヤバいんじゃねぇのか?……これ。


俺は、壁にもたれた。

トン


「はぁー……」

俺、低血圧で低コレステロール、血も足りない、そのせいか目眩がする。

平均の数値より低いし。

だから、朝が弱いんだろうな。

尚且つ痩せているし弱く見られてるし。

弱く見せないように目力を鋭くしているが。


「……あの、」


真っ青な顔で壁にもたれていたら女子生徒が俺に声をかけてきた。

俺は、女が苦手でむしろ〝人間〟という単語が1番嫌いだ。


「あ''?」

「だ、大丈夫……ですか?」

コイツ…俺に近づきたいだけだろ。

「頼むけど……俺に近寄らないでくれる?俺、人間嫌いだから」

「でも……」

「危害を加えられてぇのか?」

「……」


この目の前に居る女子生徒は一向にどこうとしない。


「ごめーん、お待たせ」


はぁ?今度は誰だ?コイツ。
男子生徒まで来やがった……

もう、最悪。


「は?」

ソイツを俺は睨みつける。

が、ソイツは女子生徒に「俺に任せて」と言って追い出してくれた……?のか?


その女は、安心したのかぺこりと頭をソイツに下げてその場を後にした。


「女の子相手にあの態度はどうかと思うよ?道永くん」

「はぁ?人間嫌いだし。それに、お前誰だ」

「やだな〜ぁ、同じクラスの緑丘大知(みどりおか だいち)だよ。ここの、生徒会長」

「てか、その生徒会長が俺になんの用」

「助けてあげたのにその態度はないんじゃないかな?」

「助けられた覚えはねぇけど。お前も俺の目の前から消えてくんねぇ?」

「それは、無理」

「はぁ?……」

グラーン……

強い目眩が俺を襲う。

もう……ダメかもしんねぇ。俺……ここで、死ぬのか……?

……ヤバい……目が霞んで来た……

あ、ほんとに……ダメかもしんねぇ……

まぁ、……いいか。こういうことを願ってたしな。


このまま……


トスっと誰かにもたれ俺はそこで気を失った。


< 1 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop