四葉に込めた一途な執愛


 あっという間に未散は私の上に馬乗りになり、雄み溢れる色っぽい視線で見下ろす。
 私の返事を待たずに洋服をたくし上げ、露わになった胸元にちゅうっと吸いつく。


「やっ、未散、待って……!」
「待たない」


 ずっと待っているつもりだったと言っていたのに、こんな時ばかり気が短い。
 あれよあれよと服を剥ぎ取られ、生まれたままの姿にされて全身にキスの雨が降り注ぐ。
 突起をくりくりといじられたりつままれたり、舌で転がされたり。
 指先と舌の動きに翻弄され、私のカラダはとろとろに蕩けさせられる。


「もう濡れてるね」
「言わないで……」


 ショーツの上からなぞられるだけで敏感に反応してしまう。
 既に濡れ切っていたソコは、指の挿入を容易く許してしまう。


「ぁ……っ」
「ごめん、ちなみ。優しくてあげられないかも」
「や……っ」


 掻き乱される度に意識が飛びそうになる私を、未散は物欲しそうに私を見下ろす。
 他の誰にも見せない、私だけが知る未散の表情。

 いつも穏やかで優しく包容力のある未散が、こんなふうに私だけを見て狂おしい程に求めてくれることが嬉しい。

 激しく腰を打ちつけられながら、私は何故か四葉の花言葉を思い出していた。
 僕を思って、僕だけのものになって。
 それは記憶を失っても私を想い続けてくれた、未散の切なる執愛のメッセージだったのかもしれない。


「あっ、んん……っ」
「ちなみ……っ」
「あいしてる……愛してるよ、未散」


 もう絶対に忘れない。
 もしも忘れてしまったとしても、私はまたあなたに恋をする。


「ずっと愛してるよ」



 fin.


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