淡いピンクのカクテルは、私と彼を甘く誘う~凄腕脳外科医に溺愛されています~
目を大きく見開いたお母様は、私から花束を受け取ると「なんて綺麗なの……」と、うっとりした目で花束を見つめる。

横で花束を覗き込んだお父様も「君の雰囲気にぴったりじゃないか」と、感激してくださっている。


「知花は、フラワーショップの店員なんだ。彼女が造った花束は、必ずお客様を笑顔にする」

「幸聖。あなた、本当に素敵な女性に出会えたのね」
「彼女のことは、一生大切にしなさい」

「もちろんです」


真っ直ぐ前を見据えてそう言った幸聖さん。

ご両親の言葉も彼の言葉も嬉しくて、今日ここへ来て本当によかった。こんなに幸せなひとときを過ごすことができるなんて、思ってもいなかった。


「知花さん、またいらしてね」
「はい。今日はありがとうございました」

「幸聖、知花さんに迷惑かけるんじゃないぞ」


玄関先で帰る支度をしている私たちに、ご両親が声をかけてくれる。


「お2人もお元気で」
「ありがとうね」


そう言いながら、お母様は私のことをぎゅっと抱きしめてくれた。

2人に見送られながら車に乗り込むと、幸聖さんはゆっくり車を発進させる。


「疲れただろ?」
「全然です! 素敵なご両親でした」

「そう? 俺からしてみれば、知花の方がよっぽど魅力的だけど」
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