元令嬢は俺様御曹司に牙を剥く 〜最悪な運命の相手に執着されていたようです〜
「特許だよ」
「は?」
冬梧さんが唐突に言い出した意味が分からなくて、思わず素の声が出た。
「色春の両親が、開発中の新薬の特許権を、色春に残したんだ。久恩山グループは、玖珂製薬が開発した薬なのにその特許権を色春が持ってることが癪だったんじゃないかな」
「ちょっと待って、特許権なんて私知らないよ?」
「薬の特許は色春が持ってる。これが証拠だよ」
手渡された紙には、『特許原簿』の文字。詳しい内容は分からないが、『権利者』の欄には間違いなく私の名前が記されていた。
「これを、飛鳥は欲しがって……?」
「正確には『久恩山グループが』だろうね。特許権者を妻にすれば、手続き次第で特許料も久恩山グループに入るから。色春が知らなかったのは、ご両親が亡くなった時、色春がまだ未成年だったから。きっと、親戚の誰かが代わりに手続きをしているはずだよ」
「そんな……」
「少なくとも、久恩山グループはそういうことをするために手段を選ばないってこと。色春は優しいから、きっと信じてしまったんだね。彼の、口先だけの甘い言葉を」
もやもやとした胸では、目の前の豪華な料理もただの飾りに見えてしまう。揺れてしまった私に畳み掛けるように、冬梧さんは続けた。
「は?」
冬梧さんが唐突に言い出した意味が分からなくて、思わず素の声が出た。
「色春の両親が、開発中の新薬の特許権を、色春に残したんだ。久恩山グループは、玖珂製薬が開発した薬なのにその特許権を色春が持ってることが癪だったんじゃないかな」
「ちょっと待って、特許権なんて私知らないよ?」
「薬の特許は色春が持ってる。これが証拠だよ」
手渡された紙には、『特許原簿』の文字。詳しい内容は分からないが、『権利者』の欄には間違いなく私の名前が記されていた。
「これを、飛鳥は欲しがって……?」
「正確には『久恩山グループが』だろうね。特許権者を妻にすれば、手続き次第で特許料も久恩山グループに入るから。色春が知らなかったのは、ご両親が亡くなった時、色春がまだ未成年だったから。きっと、親戚の誰かが代わりに手続きをしているはずだよ」
「そんな……」
「少なくとも、久恩山グループはそういうことをするために手段を選ばないってこと。色春は優しいから、きっと信じてしまったんだね。彼の、口先だけの甘い言葉を」
もやもやとした胸では、目の前の豪華な料理もただの飾りに見えてしまう。揺れてしまった私に畳み掛けるように、冬梧さんは続けた。