嫌いな男がなぜか私を愛し始めました。
一目惚れ
一日20分スキンシップ……!?そんなの、いいわけない!!

確かに私たちは婚約者になってしまったけれど、まだ湊人と触れるなんてしたくない。


ぐいぐい引かれていく腕。抵抗なんてできずにあっという間に湊人の部屋。

ソファに座った湊人の更に上に乗せられる。



「……お前って、見た目の割にふわふわしてるよな」

「な、何言ってんのばか!!」


めちゃくちゃ失礼だし……!!


ぎゅっと手首を握られる。

睨めっこしても、湊人は動じない。私のことなんて、好きじゃない。


「……ばかっ……」

「なんで泣いて……」


もう湊人のことなんて好きじゃない。大嫌いだ。

そのくせに結婚しなきゃいけないだなんて、余計に惨めになって、涙が止まらない。


手を振り払って部屋を出て行った。

長い廊下を走る。


「お待ちください」


誰かとすれ違ったと思えば声をかけられてしまった。

ぐちゃぐちゃな顔を隠しながら、「なんですか」
と聞く。


< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop