好きを極めた乙女の駆け引き

「……」


はたと見れば、安心院くんがぽかーんと口を開けている。

……しま、った。

今さら手で口をふさぐけど、もう遅い。

なにが起きているのかわらかないけど、とにかくまずいことが起きている。


やだやだやだ。

こんな形で告白するつもりなんてなかった。

絶対、笑われる。からかわれる。そして、足蹴にされて「きもい」とか言われるんだ。

これまでいがみ合ってきた犬猿の仲なんだもん、絶対そうだ。


今からでも訂正できないかな。

今の全部、嘘だって。エイプリルフールならそのくらいの嘘、笑ってごまかしてくれなきゃ嘘だよ。


そうだ! 言いたいことと真逆のことを言ってしまうなら、言うつもりのなかった言葉を言えばその逆になってくれるんじゃない?

つまり――。


また、頭がピリリとした。けど、無視して口を開く。



『好き』

「好き」



……なんでえ?
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