虐められ抜いた私が悪役令嬢に転生し援軍を得て、婚約破棄してきた王子をざまぁし最高の男と結ばれるまで。
「人質と言っても安心してください。12歳になればイザベラはルイ国のアカデミーに入学します。同学年にララアという私の妹もいますし、最高学年にはライアンという私の弟もいます。2人とも、あなたを守ってくれると思いますよ」

「レイラ王女はライ国のアカデミーに入るのでしょうか?彼女は誰が守ってくれるのですか?」

「イザベラ、レイラが人質の立場でライ国のアカデミーに入学するかは私にも分かりません。しかし、彼女の最優先項目がルイ国であることだけは分かります。心配しないでください。彼女は11歳でありながら、私と最後まで王位を競った才女です」

「私は守られているだけなのですか?私も何かしたいです。何ができるかわからないけれど、何かさせてください」
まるで、ライ国とルイ国が戦争になるかもしれないような展開に私は動揺していた。
そして何もできないであろう自分に同時に失望していた。

「イザベラ、あなたがこの世界を、今、動かしています。エドワード王子もレイラもあなたの価値にすぐに気がつきました。唯一無二のあなたの素晴らしさに気がつかないルブリス王子が王位についたら、どちらにしろライ国は終わりなのです。周辺諸国は地下資源の豊富なライ国を常に狙っています。君主に一番必要なのは、人の価値に気が付ける力だと思います。人は国にとって一番の財産ですから。イザベラ、あなたの辛い経験はこの世界の誰もしたことがないような経験なのかもしれません。そのような経験がもたらした優しさと思いやりや、あなたの生粋の美しい心に皆惹かれています。あなたの深い海のような心にすぐに気がついたエドワード王子は素晴らしいです。逆にいつまでも気がつかない、ルブリス王子は国王の器ではありません。彼が立太子したら、ライ国は終わります」


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