虐められ抜いた私が悪役令嬢に転生し援軍を得て、婚約破棄してきた王子をざまぁし最高の男と結ばれるまで。
私は先ほどのやりとりで、自分が試されていたとは全く思わなかった。
そして、サイラス王太子殿下はララアを幼いと評したが、心が18歳の私も驚くような大人な考えを持っている彼女に驚いた。

「笑顔で近づいてくる人ほど危険だと、10歳の綾に教えてあげたいよ。どうして白川愛を友達だと認識してしまったの?彼女は、いつ私を陥れて楽しむか伺っていただけだったのに」

私が彼女と会ったのは小学校5年生で、一緒のクラスになった頃だった。
それまでも、私に対するいじめはあって私には友人と呼べる人は存在しなかった。

「友達になろう、綾って呼んでも良い?」
私は美人で、明らかに人気者の白川愛に友達になりたいと言われて舞い上がってしまった。
その後、急に周囲の態度が激変して私に対する虐めは教師やクラス全体を巻き込んだものとなった。

心が疲弊していく中でも、白川愛が虐めの首謀者で、黒幕だと気がついたのは随分先だ。
彼女は自分が私を虐めるよう誘導しながら、私がそれに気が付かず彼女に依存しているのを楽しんでいた。
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