虐められ抜いた私が悪役令嬢に転生し援軍を得て、婚約破棄してきた王子をざまぁし最高の男と結ばれるまで。
「このチェスは小道具です。国のことを語りながら、チェスの駒を動かしたらイザベラにカッコ良いと思われるかもと考えただけです。実は先ほどから駒を適当に動かしています。私は、ずっとイザベラが私のことを好きだと言ってくれるのを待っていますよ。先ほどの口づけは私の想いをあなたの脳に伝えようと思いしました。人の心がわかれば良いとイザベラは言っていましたよね。ちなみに、ライアンはあなたは人の心が読めるのではないかと少しビビってました。それくらいあなたは人の気持ちが分かるのに、私が何を言ってほしいかまだ分からないフリをするのですね」

「申し訳ございません。サイラス様。私の勇気が足りないだけです」

「いえ、私の方こそ婚約問題も解決していないのに、無理を言ってすみません。イザベラが衝動的に私に抱きついて愛を語ってくる夢を昨日見たのです。どうしたら夢の通りになるのか、色々試しました。しかし、イザベラは非常に理性的ですね。私はあなたは王妃に向いていると思います。」

「私、人前で話すのが苦手な人間ですよ。というより、人が怖いです」

「ララアと一緒にいて、彼女は実はとても内向的な性格だと思いませんでしたか?イザベラには懐いていますが、割と部屋に篭っていることが多いです。でも、外では社交的な王女として振る舞っています。そのような彼女と関係を築けるイザベラは人と関係を築くのが上手いと思います。イザベラ、全ては慣れです。辛い経験も糧にしてきたあなたは、とても深い魅力を持った女性です。王妃にも向いてますが、私の妻になるのはあなたしかいないと思っています」
最近とても増えてきたサイラス様の口説きモードに、免疫のない私は緊張しっぱなしだ。
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