孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
彼が私を幸せにしてくれるというのなら、私も彼を幸せにする。
……でも。

そっと、上機嫌で運転している彼の顔を盗み見る。
海星さんに家族を納得させるでまかせとはいえ、愛していると言われて怖かった。
人に、愛されるのが怖い。
愛されて本気になって愛するのが怖い。
本気になってもきっと、――また、捨てられる。
無意識に耳のピアスを触っていた。
ピアスをあけたところでまだ、私は高志から逃れられないのだ。
でも、きっぱり彼と別れて僅か一週間。
まだ絶望しなくていい。
しかし、どれだけ海星さんから愛情を注がれようと、この恐怖から逃れられる自信が私にはなかった。
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