16歳年下の恋人は、そう甘くはなかった

疑念

トオルは自宅のベッドで仰向けになり、白い天井を見ながら考えていた。
相変わらず試合後は、出待ちしているファンの群れの後方から、キミコの食い入るような視線を痛いほど感じる。
今のところ、自宅マンションまで来ることはなくなった。
だが、その代わり、自宅の住所あてに手紙が来るようになった。
宛先の住所が書かれ、切手が貼ってあるので、マンションに直接来ているのではないようだが、それはそれで気持ちの良いものではない。

そして、その内容は、彼女がどれだけ自分を好きかをリアリティ溢れる表現で綴られていて、薄気味悪さを感じる。
さらに、女遊びが激しい夫との不和まで詳細に書かれていることもあった。

トオルはハッとして、勢いよく上半身を起こした。
キミコの夫、つまり、それはマヤの同級生であり、つい最近マヤと接触があったのだ。

慌ててスマホを手に取り、マヤに電話をしたが、マヤは出なかった。
言いようもない苛立ちがこみ上げ、呼び出し中を表示している画面を睨みつけていた。
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