もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
 まずエスプレッソ・マシンでカプチーノを淹れて、大きな窓に向かっておかれているソファーにふたりで腰かけた。
 窓から見えるのは、さまざまな色調の葉を持つ木々だけだ。
 
「エステも有名でね。超一流のエステティシャンの施術が好評なんだ。前に一度、うちに来てほしいって打診したことがあったんだけど、自然のなかで仕事をするのが好きだと言われて、断られたことがあってね」

「玲伊さんのお墨付きだったら、その方、きっと素晴らしい技術をお持ちなんでしょうね」

「そう。今回は明日と明後日の予約を取ってある」
「2日も?」

「ああ、この宿にしたのはそのためもあるからね」

「これも一周年記念の日のため?」

「そうだよ。そうだ、至急ドレスも作りに行かないと。それから来週から俺の部屋にマナーの先生を呼んで、食事の作法と所作の特訓もはじめなきゃね」

「ふー、いろいろ大変」
「優紀は頑張り屋だろう。大丈夫、すぐうまくできるようになる」

 それと……と囁いて、彼はわたしを一層引き寄せる。

「あともうひとつのレッスンは……」
「まだあるの?」

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