もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「わー、優お姉ちゃんの髪の毛くるくるしてる。かっわいいーーー」
 1年生の愛美ちゃんもにこにこしながらよってくる。

 わたしが彼女の柔らかい髪をそっと撫でると、顔をもっとくしゃくしゃにして笑う。

 この子たちと過ごす時間は、本当にかけがえがない。

 なんの思惑もなく、純粋に慕ってくれる子供たちのおかげで、人付き合いに疲れていたわたしの心も少しずつ癒されていったように思う。

 彼らがこの店に来ていなかったら、わたしはさらに無愛想でひねくれきっていたに違いない。


「ねえ、今日はなんのお話を読んでくれるの?」
「どれでもいいよ。絵本の棚から選んできてくれる?」
「うん!」

 そこにある本はわたしの私物で、読み聞かせ専用だ。

 そばに行くと、鳴海ちゃんは一冊の絵本を指さした。

「前はなかったよね。このうさぎの本」
「この間、届いたばかりなんだ」
「じゃあ、これ読んで」
「えー『はたらくじどうしゃ』がいい」と悟くんが棚から出してくる。
「やだ。いっつも、それじゃん。今日はこっち」
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