もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「わかった。どっちも読むからね。愛美ちゃんは読んでほしい本ある?」
「なるみおねえちゃんとおんなじの!」
「よし。じゃあ、まず、この二冊にしよう」

 鳴海ちゃんは愛美ちゃんの手を引いて、畳の間に上がっていった。
 わたしは本を手に彼らの前に座る。
「アメリカの人が描いた絵本だよ。じゃあ、読むね」

 タイトルは『しろいうさぎとくろいうさぎ』。
 もう五十年以上前に刊行されたロングセラー絵本だ。

 二匹のうさぎはとても仲良し。でも楽しく遊んでいるときでも、くろいうさぎはときおり寂しい顔を見せる。


 一緒にいるのがあまりにも楽しくて、くろいうさぎは心配になってしまうのだ。
 この先、しろいうさぎと離ればなれになったらどうしよう、と。
 
「誰かを好きになる」ことの本質をシンプルに描いた作品だ。

 《じゃ、わたし、これからさき、いつもあなたといっしょにいるわ

  いつも いつも、いつまでも? 
 くろいうさぎがききました。

  いつも いつも、いつまでも!
 しろいうさぎはこたえました》

(『しろいうさぎとくろいうさぎ』ガース・ウイリアムズ作 まつおかきょうこ訳 福音館書店)

「わあ、すてきなお話」
「うさぎさんたち、結婚したんだぁ。やったぁ」
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