もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「あれ、香坂玲伊……さんよね? やだ。わたし、大ファンなんですよ。去年テレビでお店の紹介されていたときからの」
鳴海ちゃんはお母さんを見上げた。
「お母さん、このお兄さんのこと、知ってるんだ」
「知ってるも何も。この方、とっても有名なのよ」
「いや、そんなことはないですよ」と謙遜する玲伊さんの言葉を制して、鳴海ちゃんのお母さんは力説した。
「いいえ! ママ友とよく話してるんですよ。一度でいいから〈リインカネーション〉で香坂玲伊さんに施術してもらいたいよねーって」
「いや、光栄です。そんなふうに言っていただけて」
玲伊さんが微笑んで軽く会釈をすると、鳴海ちゃんのお母さんの顔も一瞬で真っ赤に染まった。
わたしにもよくわかる。その気持ち。
玲伊さんの笑顔の破壊力は、ほんとに計り知れない。
その後も「お写真いいですか」とか「もう、早くみんなに自慢したい」とか言って、なかなか帰ろうとしない母親に焦れて、鳴海ちゃんは口を尖らせた。
「お母さん、もう帰ろうよ。お腹空いた」
「あ、そうね。じゃあ、優紀さん。またお願いしますね」