【書籍&コミカライズ】魅了持ちの姉に奪われる人生はもう終わりにします〜毒家族に虐げられた心読み令嬢が幸せになるまで~
「ヴァーリック様の初恋は?」


 と、今度はヴァーリックに話題が回ってくる。ヴァーリックは少し考えた後、「あっ……」と小さく声を上げる。彼は口元を隠すと、ほんの一瞬だけオティリエから視線を逸らした。


【しまった。まさかこんな反応をなさるとは……】

【ヴァーリック様のことだから、てっきりオティリエさんが初恋だと思っていたのに】


 次いで、他の補佐官たちから後悔や謝罪の心の声が聞こえてくる。


(ヴァーリック様の初恋)


 先ほどまでの高揚感はどこへやら、オティリエの胸がズキッと痛む。けれど、ヴァーリックにそうと悟られるわけにはいかない。オティリエは本心を隠してニコニコと微笑み続けた。


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