リングノート〜必ず君を甲子園に連れて行く〜
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電話が鳴ったのは、

その日の夜8時頃だった。

「もしもし、翔?」

「、、すずか?どうした?」

「疲れてるのにごめんね、翔にどうしても渡したいものがあってさ、今から学校戻る!」

「今から来たら、帰りの電車無いんじゃないか?もう夜遅いしお前危ないよ、明日の練習の時じゃいけないのか?」

「どうしても早く渡したいのっ!21時までには着くようにするから!ちょっとだけ!寝ないで待っててっ!」

そう言ってすずは電話を切った。

渡したいもの?何だろう、、、。

とりあえず俺は、すずが着く30分前に

外に出てすずを待った。

しかし21時を過ぎてもすずは来なかった。

何度も電話をしたけど繋がらない。

22時になってもすずは来ないし

電話も繋がらない。

心配になって俺は監督のに言いに行った。

すずの親に電話をかける工藤監督。

声は聞こえないが

監督の部屋の窓から見える監督の顔は

いつにも増して険しく見えた。


「すずは大丈夫なんですか?!」

「明日の朝、高原のお母さんがまた連絡をしてくれる。ただ、すずの居場所はわかっている。とりあえず今日お前はゆっくり休め。」

「すずはどこにいるんですか?!」

「詳しい事はわからない。ただ、すずはお母さんと一緒だから大丈夫だ。」

それだけ言って監督は部屋に戻った。

すずに何かあったのか?

でもお母さんと一緒になら安心だよな?

またお母さんと喧嘩でもして、

部活に来られなくなったとか、

そんな事だよな?
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