離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
そしてこれからも、医者としてどれだけの壁にぶつかっていくのだろう。
「じゃあ私は、その夢のお手伝いができるような人間になりたいです」
看護では人を救うことはできない。
私はオペもできないし、診断もできない。
でも、それをできる人を支えることなら、できるかもしれない。
そして、圭吾さんが救った人たちに寄り添い、不安を取り除いていくのが私の役割だ。
「七海は今のままでじゅうぶん、俺を支えてくれてるよ」
優しく目を細めた圭吾さんが、こちらに手を伸ばす。
その瞬間エレベーターホールの自動ドアが開き、私たちはお互いにそっぽを向いた。
幸い入ってきたのは隣の病棟の看護補助者さんで、車いすに乗った患者さんを静かにエレベーターに乗せて去っていく。
「びっくりしたあ」
胸を撫でおろすと、なぜか笑えてきた。
「危ない危ない」
圭吾さんも眉を下げて笑う。
目が合うと、どちらかともなく顔を寄せあった。
まるで見えない磁力に引き寄せられるように。
瞼を閉じると、彼の唇で呼吸を奪われる。
職場でこんなことをしていてはいけないという思いと、もっとしてほしいという願望がごちゃ混ぜになった。
数回唇を重ねたあと、圭吾さんが離れていく。
彼は愛おしそうに私を見つめ、目を細める。
妻として、人生のパートナーとして、この人とずっと一緒にいたい。
笑顔の彼を見て、心からそう思った。
「じゃあ私は、その夢のお手伝いができるような人間になりたいです」
看護では人を救うことはできない。
私はオペもできないし、診断もできない。
でも、それをできる人を支えることなら、できるかもしれない。
そして、圭吾さんが救った人たちに寄り添い、不安を取り除いていくのが私の役割だ。
「七海は今のままでじゅうぶん、俺を支えてくれてるよ」
優しく目を細めた圭吾さんが、こちらに手を伸ばす。
その瞬間エレベーターホールの自動ドアが開き、私たちはお互いにそっぽを向いた。
幸い入ってきたのは隣の病棟の看護補助者さんで、車いすに乗った患者さんを静かにエレベーターに乗せて去っていく。
「びっくりしたあ」
胸を撫でおろすと、なぜか笑えてきた。
「危ない危ない」
圭吾さんも眉を下げて笑う。
目が合うと、どちらかともなく顔を寄せあった。
まるで見えない磁力に引き寄せられるように。
瞼を閉じると、彼の唇で呼吸を奪われる。
職場でこんなことをしていてはいけないという思いと、もっとしてほしいという願望がごちゃ混ぜになった。
数回唇を重ねたあと、圭吾さんが離れていく。
彼は愛おしそうに私を見つめ、目を細める。
妻として、人生のパートナーとして、この人とずっと一緒にいたい。
笑顔の彼を見て、心からそう思った。