離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「仲がいいのは結構なことだが、廊下での私語は控えるように。患者が迷惑がっている」

笠原先生は私の背後の病室から出てきたようだ。親指でそちらを指している。

「すみません!」

私と千葉くんはそろって頭を下げる。

たしかにちょっと声が大きかったかも。

患者さんの中には調子が悪くて、昼間も静かに寝ていたい人もいる。

笠原先生は私を一瞥して、低い声で言った。

「きみは俺のオペ患の担当だな」
「は、はい」
「時間厳守で頼む」

それだけ言って、先生はスタスタと早歩きで行ってしまった。

「無駄口叩いていて、遅刻なんかしたら承知しないからなってことだ」

千葉くんが笠原先生のセリフを解説するから、余計にドキドキした。もちろん、悪い意味での動悸だ。

「ごめんな、俺が話しかけたから」

しゅんとする千葉くん。

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