離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
「千葉くんは学生のときにこの病棟で実習したの覚えてる?」
「そりゃ覚えてるさ。すっげー嫌なやつが指導者だったよな。あのキンキン声のデブ。木林さんっつったっけ」

千葉くんは直接的な悪口を吐き、煮えた鍋にお玉を入れる。

「みんな泣かされたよね」
「でも木林さん、俺が入職して一年後に辞めたよ。だから今から二年前かな」
「知らなかった。どうして辞めたの?」

仕事命って感じの人だったのに、どうして辞めてしまったのか。

誰かをいじめることはあっても、いじめられることはなさそうなのに……なんて失礼な考えが頭をよぎる。

「笠原先生を怒らせたんだよ。あいつ、自分が患者さんの部分入れ歯をうっかり流しに流しちゃったのを後輩のせいにしようとしたんだ」
「ええっ」
「それ以外にもさ、麻薬の管理ができなかったり、認知症の患者さんをバカにするような話し方をしてキレられたり、いろいろあったんだって。でも全部後輩のせいにして逃げてたんだ」

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