プライベートレッスン
赤坂エリは乱れた洋服を整える。
「もう・・・驚かさないで下さいよ」と一つ間をあけて言った。
「そういうつもりじゃなかったんだ。本当に夢だと思ってさ。あのさ、ごめんね」
そして俺は必死に頭の中を整理する。何がどうなっているんだ?
「・・・・・」
彼女は無言で髪の毛を整える。
「あのさ、一つ質問していいかな?」
「いいですけど・・・」
「どうして君が俺の部屋にいるんだい?だって住所を教えてないだろ?」
「・・・迷惑でしたか?」
彼女は少し戸惑いながら言った。
「迷惑じゃないけど、むしろ嬉しいってゆうか」
「とりあえず食べてくださいよ、一生懸命作りましたから。話はその後でいいじゃないですか」
目の前のテーブルにはトマトケチャップが大量にかけられた強烈な臭いのするオムライスとインスタントスープが湯気を立てていた。さっきからする嫌な臭いの原因はこれか・・・。
「おいしそうだね」
俺は苦笑いを浮かべて言った。そして目の前のオムライスを見て一つの「覚悟」というものを決めなければならないと知った。



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