筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
「くそ……そういう事か」
「どういう事ですか?」
「これは、アレだ。……俺がローズに焦がれていると知った上で一緒に閉じ込めて、結婚を確実にしようとする家令の罠だ」

 ブレイズ様は、後ろにくっついている私の姿をチラリと見て……フイっと視線を逸らす。
 成る程。私がこの格好でこの部屋に放り込まれたのはブレイズ様の意思ではなく、お節介な家令さんの計画だったのか。

「別にそんな罠を張らなくたって、私はブレイズ様となら今すぐに結婚しても構わないのに」

 そうすればこの鍛え上げられた広背筋は私のモノだ。
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