筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
 ちなみに後日。屋敷の使用人に扮した刺客が捕らえられた。様々な手段により集められた彼の証言によると……どうやら狙われていたのは私らしい。
 どうして私を狙うのに兵士が被害に遭ったのか、理由が全く分からない。
 
「ローズに瑕疵をつける為か、はたまた別の目的があるのか。……首謀者も分かっていないから、ローズは気をつけて暮らすように」

 ブレイズ様の言葉にこくんと一つ頷いて、私は不安から視線を下げる。そんな私をブレイズ様は優しく抱きしめた。

「そう心配しなくても、俺が必ず守る」
「ふふっ、心強いです」

 ブレイズ様が守ってくれるのなら心配いらない。この腕の中程安全な場所は無いだろうと思いながら、私は逞しい大胸筋に頬を寄せて。私に気を遣っているのであろう石鹸の香りに頬を緩めた。
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