女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に
2、女王様の恋煩い
「ごめん…やっぱり、やめよう」

人の足の間で、何かを吹っ切るように首を左右に振る玲央。

だが、私の片足は肩にかずかれていて、反対の足は、今だに玲央の大事な場所の上だ。

「えっ?」

足の間にいる玲央は、肩にかずいていた足をおろしてから、私の両脇に手を入れて持ち上げた。

そして、そのまま抱き上げて反転し、ベットに腰掛けたのだ。

すると、私の体勢は、膝立ちで玲央の足を跨いで向かいあっている状況だ。

見下ろす私に、困ったように笑う玲央。

「亜里沙が今必要なのは、溜まってる鬱憤を吐き出すことなんだ。それなのに、間違えてごめん。思ってること全部吐き出しな」

ポンポンと背中を優しく叩く手に、張り詰めていた心が急に雪崩のように崩れていく。

玲央に抱きついて、彼の肩で思いっきり泣いた。

・好きで久世家に生まれたわけじゃないこと…「そうだね」
・好きで一卵性双生児で生まれたわけじゃないこと…「うん」
・久世家の長女として弱い自分を他人にも家族にも見せれなかったこと…「辛かったね」
・四面楚歌のような社交界などに、身を置きたくないこと…「頑張ってたよ」
・本当は家の仕事関係じゃなく、樹里のように外で働きたかったこと…「したい事が見つかるよ」
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