女王様を甘やかしたい〜 愛の逃避行は計略的に

確かに、カードを使えば、父に知られるし、携帯もGPSで探知されるだろう。

「わかった。切るね」

玲央と2人で携帯の電源をオフにして、鞄にしまった。

「出港前に船室に荷物置いて、船内巡りしよう」

「そうだね」

玲央がおさえていた部屋に、驚かされ、声も出せずにいた。

てっきり、スタンダードのシングルだとばかり思い込んでいたが、オーシャンビューの見えるスイートルームだったのだ。

「驚いた⁈」

「うん」

「普通のスイートでもよかったんだろうけど、せっかくだしね。偶然、空いていたから、おさえちゃいました」

「偶然⁈」

笑って誤魔化す様子から、そうではないのだとわかり苦笑してしまう。

「亜里沙の嫌がることはしないって知ってるだろう。好きだと告白したし、もう、この際、少しでも一緒にいたいと思う、僕のわがまま」

あー、先ほど、心が痛むと言っていたのは、こういうことかと、玲央を見つめた。

「はい、すみません。めちゃくちゃコネ使っておさえました」

ほんと、憎めない男だと抱きついた。

「ふふふ、ありがとう。嬉しい」

「えっ?嬉しいの?それに亜里沙から抱きついてきたし、僕、調子にのるかも」

「調子にのって…いいよ」
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