正反対な双子のそっくりな溺愛
出会い

♢海

｢好きです。俺と付き合ってください｣

私、加瀬はのんは人生で初めての告白をされています！

相手は、明るくて優しいクラスの人気者の新井悠里(あらいゆうり)くん。

3か月くらい前に、この花丘高校付属中学校に転校してきた。

ルックス、スタイルともに良いので、毎日のように告白されているらしい。

そんな新井くんに登校した途端に呼び出され、中庭にやって来た。

そして冒頭にかえる。

新井くんはいい人だと思うし、彼女になったら大切にしてくれるだろう。

でも私は新井くんのことが好きじゃないし、新井くんのことを好きな女子の敵になりたくもない。

｢ごめんなさい。…新井くんの気持ちは嬉しいけど付き合えません｣

｢え、なんで｣

新井くんの目が少しだけ細められる。

理由を求められるとは思っていなかった。

｢…、今はあんまり誰かと付き合いたいと思ってない、から、かな…｣

できる限り新井くんを傷つけないように、言葉を選ぶ。

｢……はぁ、んだよ。さっさとOKしろよ｣

新井くんから帰ってきた言葉は普段の新井くんからは想像できないような乱暴なものだった。

｢っ…｣

新井くんが自分の頭を乱暴にかき混ぜた。

｢お前のせいでこっちの面目が丸潰れなんだけど｣

｢その…ごめんなさい｣

新井くんは威圧的ですごく恐い。

咄嗟に謝ってしまった。

｢謝るぐらいなら俺の彼女になれよ。このままだと俺が振られたって広まんだけど｣
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