正反対な双子のそっくりな溺愛
♢空
「加瀬ー、これを生徒会室に届けてくれ」
社会の山本先生が授業後に私を呼び出した。
なぜか私は山本先生に気に入られていてしょっちゅう用事を頼まれるのだ。
いや…嫌われているのかもしれない。
「…はい。わかりました」
先生に渡されたのは分厚いファイル。
きっと生徒会の書類が入っているのだろう。
「結衣ちゃん、生徒会室言ってくるねー」
「えー、またパシりにされてんのー?」
こんなことがよくあるので、結衣ちゃんもついてきてくれることはない。
心の中で山本先生の悪口を叫びながら廊下を歩く。
……あれ、生徒会室ってどこだっけ。
生徒会室なんて、普段行かないので場所がわからない。
なんとなくだけど3年生の教室の辺りにあった気がする。
あくまで気がする、だけど。
3年生の教室の周りをウロウロ歩き回る。
でも生徒会室らしいものは見つからない。
「君、1年生?どこか行きたいの?」
斜め後ろから声がして振り返るとそこにはスラリと背の高い男の先輩がいた。
綺麗な黒髪に、少しだけ垂れた目。
「ぁ、あの、生徒会室に行きたくて…」
口元には人あたりのいい微笑みを浮かべている。
「生徒会室は職員室の隣だよ。迷ったらいけないから送っていこうか」
「え、あ、ありがとうございます」
社会の山本先生が授業後に私を呼び出した。
なぜか私は山本先生に気に入られていてしょっちゅう用事を頼まれるのだ。
いや…嫌われているのかもしれない。
「…はい。わかりました」
先生に渡されたのは分厚いファイル。
きっと生徒会の書類が入っているのだろう。
「結衣ちゃん、生徒会室言ってくるねー」
「えー、またパシりにされてんのー?」
こんなことがよくあるので、結衣ちゃんもついてきてくれることはない。
心の中で山本先生の悪口を叫びながら廊下を歩く。
……あれ、生徒会室ってどこだっけ。
生徒会室なんて、普段行かないので場所がわからない。
なんとなくだけど3年生の教室の辺りにあった気がする。
あくまで気がする、だけど。
3年生の教室の周りをウロウロ歩き回る。
でも生徒会室らしいものは見つからない。
「君、1年生?どこか行きたいの?」
斜め後ろから声がして振り返るとそこにはスラリと背の高い男の先輩がいた。
綺麗な黒髪に、少しだけ垂れた目。
「ぁ、あの、生徒会室に行きたくて…」
口元には人あたりのいい微笑みを浮かべている。
「生徒会室は職員室の隣だよ。迷ったらいけないから送っていこうか」
「え、あ、ありがとうございます」