君はビターチョコのように after days
after days

君にサプライズを

カフェを出た後は、ショッピングモールで、遊んだ。
日菜の誘いで、俺は、人生で初めて、プリクラを撮った。最初にポーズの種類を決めるモードを選ぶのだが、日菜が恥ずかしがって、友達とやりやすいモードを選ぼうとした。だけど、俺は、日菜の手がそれを選ぶ前に、恋人用の方を迷いなく選択し、決定。ハグとか二人で一つのポーズとかがあって、日菜は照れてばかりだったが、俺にとっては、普段より自然と日菜と近くなるから、嬉しい方が勝っていた。
一方、日菜は、撮った後の写真のリメイク時間は目を輝かせていた。
「朔夜先輩、ここ、名前書きましょう!」
「ああ...こうか?」
俺は日菜に教えてもらいながら、写真を飾りつけていく。
日菜...可愛かった..な。
リメイク時間が終わり、写真が機械から出てくると日菜は切り取り線に合わせて写真を切って、渡してくれた。
「はい!朔夜先輩の分です!」
「ああ。サンキュ」
いざ、もう一度、写真を見てみると、ぎこちない表情もあるけど、新鮮だな。
その後は、ゲームセンターやカラオケ、雑貨店などを周った。
時計を見ると三時過ぎだった。
「そろそろ、行くか」
「えっ、もう、そんな時間ですか?」
「もう一つ、行きたい場所があるからな。行くぞ」
行き先は、もちろん、あそこだ。
「ここって、あの時のチョコのお店ですよね?」
「ああ。ホワイトデーの限定チョコが出るってこの前、聞いて、日菜と食べたかったんだ」
俺は扉を開ける。
「いらっしゃいませー!
あっ、朔夜君、待ってたよ!
準備出来てるから、二階、案内するね!」
「はい。よろしくお願いします。店長も今日はありがとうございます」
「良いんだよ。今日はいつも以上に腕を振るうから、楽しみにしててね」
「はい」
「二階?」
「こっちが二階。普段は閉めっぱなしなんだ。
だけど、こういう、特別な日に開けて、その人達だけのお祝いをしたりするんだ。
それで、今日は店長が俺達のために、二階の部屋を開けてくれた」
日菜は、店長に頭を下げる。
「ありがとうございます!」
「いやいや。これくらいしか出来ないからね。
今日は、特別なお菓子があるから、朔夜君も日菜さんも楽しみにして待っててな」
「はい!」
「ありがとうございます」
「二階に行こうか」
「はい」
二階に上がり、部屋に入ると青と水色がベースのガーランドや風船で飾りつけられていた。
そして、部屋の真ん中には大きめの机と椅子が二つ置いてある。
「わぁ、すごい!
綺麗ですね、朔夜先輩!」
「ああ」
「ありがとう!それじゃあ、二人共、席に着いてね」
席に着くと飲み物を注文した。
「了解!じゃなくて、かしこまりました!
お飲み物はスィーツと一緒にお持ちいたしますので、少々、お待ちください!」
ここまで、来た。これから、サプライズ。
日菜、喜んでくれると良いな。
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