僕らは今日死んだので、これから先は天国です
「ねぇ、瑞樹。自分のことだけ考えて。私のことなんて考えないで。私に気を遣わないで。私は、瑞樹といられることが幸せなの」

一葉が僕の顔を見て、クスッと笑った。

「返事は要らないわ。だって、瑞樹のその赤い顔がきっと返事でしょ?」

僕は今、どんな顔をしているというのだろう。

「さ、瑞樹。まだまだこの天国を一緒に楽しみましょ!」

桜の中でそう笑った一葉の顔は、しばらくずっと僕の頭から離れなかった。
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