僕らは今日死んだので、これから先は天国です
それでも、病状は余命が近づくにつれ、当たり前のように悪化していく。

「瑞樹くん、そろそろ入院して欲しい」

山川先生はある日、診察室でそう告げた。

「分かりました」と、僕はすぐに了承した。

「こんなことを私が言うのもおかしいが、随分あっさりしているね。無理をしていないかい?入院はして欲しいが、瑞樹くんに気持ちを吐き出すのを我慢して欲しいとは思わない」

僕は山川先生と目を合わせ、はっきりと告げる。

「本当に大丈夫です。入院してもやりたいことを探して、好きなことをいっぱいするので。それに、今は少しでも長くこの世界にいたい」

もう死んでるのに、この天国が名残り惜しいなんて馬鹿げてるかな?
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