久我くん、聞いてないんですけど?!
久我くん、聞いてないんですけど?!
(ど、どうしてこうなった?!)

真上からじっと見つめられ、私は思わず自分に問う。

だが冷静に考える暇もなく、彼の顔が近づいてきた。

後ずさろうとして無理なことに気づく。

なにせ、ベッドに組み敷かれているのだから。

「ちょ、ちょっと待って」

「待たない」

「ほんとに久我(くが)くんなの?」

「そうだよ」

「聞いてないんですけど?!」

「言ってないからね」

いや、その前に…

「なんか性格変わってない?こんなことする子じゃなかったよね?」

すると久我くんは、ピクリと眉を動かした。

「どこまで子ども扱いするの?俺が大人の男だってこと、嫌でも分からせてあげる」

「いやいや、結構ですからー!」

せめてもの抵抗で声を張り上げてみるが、努力も虚しく口を封じられた。

そう、久我くんの唇で………
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