空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~

……そこには私の知らないお話が書いてあったから……

また振り向いて賢太郎さんの顔を見た。

「ん?」

「お父さんが…賢太郎さんの…恩人?」

「あぁ、そうだよ。…1人で海でため息ついてたら那知のお父さんが来てさ。俺が何かに悩んでる事に気付いてたみたいで。それで話して…俺は救われたんだよ」

「そうだったんだ……お父さん、そんな事ひと言も…」

「まぁかっこ悪いしな、そんな事で悩んでるとか」

「ううん!かっこ悪くなんてない!…でも…そっか、お父さんは同じ男としてそれが分かるから黙ってたんだね」

「そうかもな。だから……那知と結婚して…『お父さん』て呼んで…酒を酌み交わしたかったよ」

「賢太郎さん…」


初めて聞いた2人のやり取りとその気持ちが嬉しくて……涙も拭かずに賢太郎さんに抱きついた。

「ありがとう…賢太郎さん……そう思ってくれてたこと、きっと喜んでるよ、お父さん…」

「ん…そうだと嬉しいな…ありがと。……ほら那知、まだ続きがあるから」

なんて涙目の賢太郎さんに記事の先を促されたから、また前を向いてページを開いた。

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