空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~

再会と、残酷な真実/side賢太郎


お仏壇に向かい、那知のご両親へ俺の気持ちを伝えた後、いきなりお兄さんと2人で話すことになってしまった。


「ハハ、有無を言わさず連れ込んで悪かったね。あぁ、そこに掛けて」

「はい、失礼します」


促されたソファに座ると、お兄さんが二人分のコーヒーを置き…徐に口を開いた。


「…はじめまして……じゃないよな、ケン。…久しぶり」

「!…勇貴さん……俺のこと、覚えてたんですか?」

「覚えてるよ。当たり前だろ、大学生だったんだぜ?俺達」

と言うと、勇貴さんがグッと歯を食いしばり、拳を握った。

「……あの時、ケンが可愛い妹を拐っていくロリコン悪魔にしか見えなくてな……だから覚えていたよ……くぅっ…」


「は……」

ロリコン悪魔…
まぁ…当たらずとも遠からず…か…?


「…なぁんてな!シスコンジョークだよ!ジョーク!ハハハ!」


「…あぁ、はい…」

立場的にも突っ込めない俺はそれ以上何も言えず、とりあえず黙って勇貴さんを見た。

…勇貴さんも変わってない。
目元なんか特に変わらず那知と似ている。
優しそうな雰囲気もそっくりだ。


さて、じゃあそろそろ本題の結婚の話を切りだそうか。
そう思っていた矢先、口を開いたのは勇貴さんだった。


「…俺はケンの事を覚えていたけど、那知は覚えていなかっただろ?」

「えぇ、そうですね。……でもそれも当然でしょう。那知は中学生でしたし、俺のことは興味も続かなかったでしょうね」

14年も前だもんな、仕方がない。
そう思っていた。


…だが、この後、勇貴さんから語られた話は予想だにしないものだった。


「うちの親が亡くなった事、那知は何て言ってた?」

「…中学2年の夏に、病気で立て続けに亡くなったと。あと、その頃の事はよく覚えていないと言ってました」


すると勇貴さんは、ふー……と息を吐いた。


「実は事故なんだよ、亡くなったのは」

「え……」


……事故?

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