ドロ痛α様に狙われて

 あっちゃん、ダイレクトに伝えないで。

 ここ数日、東条くんが頭から離れなくて困っていたのは事実だけど……


 「へぇ、歌夜さんは恋について悩んでいるのですね」


 あれ? 

 笑顔がトレードマークの微笑み紳士の目が、濁っているような。

 絢人先生の顔が、ちょっとだけひきつっているような……

 気のせいだよね?


 「じゃあ絢人先生、カヤのことよろしくです」


 私を理科準備室に押し込もうと、あっちゃんは私の背中を押しているけど……


 「あっちゃんは帰っちゃうの?」

 「私には甘えさせてくれる社会人彼氏がいるし。恋の難問については、今のとこどーでもいいんだ」

 「なにそれ!」


 イヒヒと悪の微笑みを浮かべながら、あっちゃんは私の耳に口を近づけヒソヒソヒソ。

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