吸血鬼の彼女(仮)

たくさんの初めて

「分かり、ましたっ。お試しでいいなら……。」

「!……よかった。じゃあ、よろしく。」

「よろしく……っ。」

空咲星羅、15歳。
ー初めての彼氏(仮)ができました。


ーーーー
ーー
ー次の日ー

今度は私が何をすればいいのか気になって、夜霧くんに聞くために中庭に来てもらった。

「あ、あの…夜霧くんっ。お試しって具体的になにをするの……?」

「えーっと。一応付き合ってるんだから下の名前でいい?星羅。」

「っ///は、い。夜…ツ、ツキくん。」

「あっ、敬語も禁止ね。星羅焦ると敬語になるでしょ。」

「…わかった…。」

いきなり私にはハードル高いよぉ…。

「……カップルっぽいことならデートとか?」

「っ。デート!?」

「うん。」

デート、デート…!?

「遊園地とか、どっかで買い物とか?」

男の子と遊園地?彼氏と買い物…???

???

楽しそう……!!

でもそれってすごくカップルっぽくてハードル高いし…。

でも行ってみたい……。


「……なんか複雑そーな顔してんね。じゃあ、2人じゃなくてなんか仲良い人でも連れてくれば?いるじゃん仲良い子。その彼氏も一緒でいいよ。」

「っ、それって葵ちゃんの事…だよね?」

「うん。」

ツキくんは知ってるんだ……。
ってかそれって…

「も、もしかしてダブルデートってこと?!」

「そういうこと。」

「…////ちょっと考えさせてくださいっ。」

《タタタタタ……》

ちょっとキャパオーバー…!!

足は遅いけど、精一杯走って中庭から逃げた。

「敬語使ったから後でなんか罰ゲームね。」

遠くでそんな声が聞こえた気もするけど気のせいにしよ…。
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