吸血鬼の彼女(仮)
とりあえず、葵に相談しよ…。

「葵、ちょっといい?」

「どしたー?」

「実はかくかくしかじかで……」

「えっ!?夜霧くんと付き合ったの?!」

一斉に女の子たちの視線がこっちに向けられた気がする。

「しぃーっ!みんなに聞こえちゃうから向こうで話そ!」

「ごめんごめん。びっくりしたよーもう。」

なるべく人のいない廊下の端で話そうかな。

「星羅もやるねぇー。あの夜霧くんと付き合うなんて。」

「いやいやいや……。なんか急に“番”がどうとか言ってて……。」

「ねぇ、気になってたんだけど“番”って何?」

「なんか血の味が他の人と違って相性がいいらしいけど……。具体的に何するのか知らないなぁ。」

「えー。聞いてみなよぉ。だってもし本当に星羅が好きになってちゃんとした番になったらどーするの??」

「無いってそんなこと!でも……確かに、知っといた方がいいかな…?」

「彼女なんだから知っといた方がいいよ。」

「そうだよね、今度詳しく聞いてみる!」

やっぱ葵は頼りになるなぁ。恋愛の事なら私よりずっと先輩だし!

そういえばなんで今日葵に話そうと思ったんだっけ。
あ、夜霧くんとのダブルデートのことだ!

……まだ心の中では夜霧くん呼びしか出来てないんだよね…。

「あっ。そうそう、夜霧くんに誘われたんだけど、葵と葵の彼氏とダ、ダブルデート…?、に一緒に行かない?最初は夜霧くんと2人だけって話だったんだけど私がキャパオーバーしそうだから……」

「えっ何それ、面白そう。夜霧くんが私の星羅にふさわしいか見定めないとねっ。」

「あははっ、見定めるって…っ。頼りにしてるからっ。」

そんなこんなで、夜霧くんとのダブルデートとが決まった。
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