ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?

4.僕の世界の中心は

*****

「───なに? どうしたの?」
すっかり冷めてしまったオムレツを、電子レンジで温めて、まいさんと向かい合う夕飯。
おかわりの入ったお茶碗(ちゃわん)を受け取って、またオムレツに箸を差しこんだところで、まいさんの視線に微笑んで尋ねる。
僕が見つめ続けることはあっても、その逆はあまりないから、僕は気づかぬ素振りでまいさんの物言いたげな眼差しを独占していた。
まいさんは僕のうながしを待っていたようで、間、髪を入れずに言った。
「あんた……いつもアレ、持ってるの?」
「あれって、コンドームのこと?」
僕の答えに、まいさんの手からゴトンとお茶碗が転がり落ちる。
……ええっと。訊いてきたのは、まいさんのほうだよね?
苦笑いしながら質問の意図を考える。
うーんと……学校から帰って来て、手を洗って着替えもしないでいたから───。
「持ち物検査されたら、お父さんが学校に呼ばれちゃうかなぁ?」
ふふっと笑う僕を、まいさんはうろんな目で見てきた。
「なんで学校に……持っていく必要なんか、あるのよ?」
あれ? まいさんが気にしてるのって、持ち歩いてる理由なのかな?
「なんで、って……。今日みたいに、急にまいさんとエッチしたくなったら困るでしょ? だから」
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