ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?
にっこりと笑ってみせる。他に理由なんて、あるわけなかった。
こんな単純なこと、なんでまいさんには解らないんだろう?
「あんたって……」
言ったきり、絶句するまいさん。
困ったな、こんな言葉が聞きたかったわけじゃないのかな?
まいさんは思いだしたように、食事に戻った。
釈然としない様子のまいさんに、僕は口をひらく。
「ねぇ、まさかとは思うけど……まいさん、僕が浮気してるとか、思ってたり……する?」
探るように、まいさんを見つめる。
一瞬だけ動きを止めて僕を見返したまいさんは、気まずそうな表情で僕から視線をそらした。
「だって、あんた、すっごくモテそうだし。なんか……そういう誘惑多そうじゃない。
あ、だからって別に、あんたが学校でエッチしてるんじゃないかとか、そんなこと思ってないから……って! 私、なに言ってるんだか。
───あーっ、ゴメン! いまの話、全部忘れて!」
まいさんの言葉は支離滅裂で。とうてい、論理的とは言い難くて。なのに僕にはまいさんが、
「本当は何を一番に伝えたいのか」
が解ってしまった。
僕の脳内にある『まいさん語翻訳機能』は、とてつもなく優れているようだ。
……なんだか少し、胸のあたりがくすぐったいな。
「忘れないよ。それって、ひょっとしなくても、まいさんのヤキモチからくる言葉でしょう?」
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