私の白王子と黒王子
「なんか今日嬉しそうだね? いいことでもあったの? 聖奈」


教室で声をかけてくれたのは親友の立花(たちばな)(ゆい)


唯とは幼稚園からの仲で、お互い知らないことは多分ない。


それくらいなんでも話し合える仲だ。


「ふっふーん。よくぞ聞いてくれました!」


私は、類を放課後デートに誘ったことを自慢げに話した。


当然褒めてもらえるものと思ったのに、彼氏もちの唯にとっては展開が遅すぎるらしい。


「ようやく⁉︎ んもうほんとにじれったいんだから! サクッとキスくらいしちゃいなよ!」


「キ、キス⁉︎ 無理だよそんなの! 大体、付き合ってもいないし、告白だってまだなのに……」


「デートに誘うまでに一体何年かかったのか自分で分かってる? そんな律儀に順番守ってたらね、おばあちゃんになっちゃうよ聖奈」


「それは言い過ぎだよ〜」


「いーや。聖奈はのんびりすぎる。そんなんじゃ他の女に類さん横取りされるよ? それでもいいの?」


「それはやだ!」


「じゃあ頑張らないと。もういっそのこと『一緒に寝よ?』とか誘ってそのままエッチしちゃえ〜!」


「えぇ〜〜⁉︎」
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