私の白王子と黒王子
「聖奈様? 大丈夫ですか?」
「っ……類。どうしたの?」
「部屋の外から呼びかけたんですが返事がなかったので何かあったのかと思い……勝手ながら中に入らせていただきました」
「ごめん、ボーッとしてたみたい」
呼ばれていたことにも、類が入ってきたことにも気づかないなんて相当考え込んでたんだな、私。
「何か……考え事ですか?」
目の前では類が跪いて、くっきりした二重の目で私を見ている。
まるで絵本の王子様みたいに。
「類は……」
——類は、あの時の王子様じゃない?
頭の中では言葉を並べられるのに、声に出そうとすると喉がヒュッと締まってしまう。
私の体は類に聞くことを拒否しているんだ。