私の白王子と黒王子

壊された日常

誘拐騒動からしばらくして、私はこれまで通りの日常を取り戻していた。


「ありがとう佐々木さん」


いつも通り、佐々木さんが開けてくれたドアから車を降りて、行ってきますと言う。


「放課後また迎えにきます」


いつもと同じ類のセリフ。


2人に手を振って私は校舎に入っていく。


教室に行けば、唯や他の友達がたくさん話しかけてくれて。


この間の合コンで誰がカッコよかったとか、あのアイドルを好きになったとか、昨日のドラマの話とか、今度どこに旅行に行くとか、ブランドの新作を全部買ったとか。


そんな他愛もない話をする。


いつも通りの朝、いつも通りの教室。
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