私の白王子と黒王子

目覚めと別れ

類の手術は無事に成功して、命に別状はないと確かに先生は言っていた。


それなのに、数日経っても類は目を覚さない。


その間、私は毎日病院に通った。


「類は私のボディーガードでしょ? そばにいてくれなきゃ困るよ……類がいないと私……」


——神様、どうか類を助けてください。代わりに私が何でもしますから。


そんな願いを込めて、お腹の上で組まれた類の手を握る。
< 42 / 60 >

この作品をシェア

pagetop