俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~

1話 マスカレード婚活パーティー

 春。暖かな気候で晴れの日が多く、今年は特に気温が高い日が多い気がした。
 そんな春は出会いの季節でもあり、婚活パーティーがいくつも開催されており、横須賀も例外ではなかった。

「それでは、皆さまお待ちかねのダンスタイムです! 先程のフリートークタイムで気になった方と踊るもよし、近くに偶然居合わせたパートナーと踊るもよしです! それでは、音楽が流れましたら始まりの合図です」

 司会の女性は明るい声で簡潔に指示を会場の参加者に伝えると音楽が早速ワルツが流れた。
 すると男女はペアになり、ワルツを自己流で踊り始める。

 男性はスーツ、女性は淡いピンクや落ち着いたイエロー、ブルーグレー、ワインレッドなど様々な色のワンピースを身に纏い、ふわふわと柔らかいとろみのある生地はゆるやかに回転すると花が咲き誇るようであった。

 しかし、この婚活パーティーの参加者は受付を終えてからすぐに仮面を渡され、素顔は明かさず、鼻元までは隠されている。
 中世ヨーロッパであったような仮面舞踏会を彷彿とさせるスタイルの婚活パーティーだ。
 ホテルの宴会場で行われているこの婚活パーティーは、顔重視ではなく、声や体格、性格や話す内容など、顔をほかの参加者に明かしたくない者を中心に人気があった。
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