俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
 航平が帰ってきてからは時間の経過がとても早く感じた。
 あっという間にデートの日が訪れる。
 今回は百貨店に行くことになった。ウィンドウショッピングをした後、夜景を堪能しながらディナーも楽しめるというラグジュアリーなホテルディナーを用意してくれたとわかった。
 今度ばかりは自分では絶対に行けないような場所であるとインターネットで調べて発覚した時には、結芽は言葉を失った。

「おはよう、航平くん。お仕事終わったばかりで疲れているのに会ってくれてありがとう。本当に嬉しい」
「俺は結芽に会いたかった……だから、俺も嬉しいよ」

 車で迎えに来てくれた航平は、車に乗り込む前にそっと結芽を抱きしめる。

「あっ、ちょっ」
「ごめん……許してくれ」

 人目を気にした結芽は辺りをきょろきょろと見たが、人気はないと確認できたので、ぎゅっと、背中に腕を回す。
 密着すると、航平の筋肉質な身体がより一層感じられた。
その厚い胸板と逞しい腕は結芽を潰してしまわないように力を抑えているのだとわかるくらい、緩く抱擁する。
 力加減が慣れていないのが、なんだか可愛らしく思ってしまい、結芽はくすくすと笑ってしまう。

「どうかしたか?」
「ふふ、もっと強く抱きしめてもいいのに」

 結芽は、やはり自分は航平のことを心から愛しているのだと改めて思わされる。
 彼が抱きしめた時の優しい温もりと、心地のよい匂い、声、何もかもが離しがたいほどに好きなのだ。
 許されるならば、この人を独占したい。この先もずっと一緒にいたい。そう思っている。
 あとは、自分がそれを許せるか。自分を変えられるかだけなのだ。
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