放課後の片思い
1st piece

きみとの最悪な出会い

私の最近の楽しみ。
それは……


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「みんな気をつけて帰るように」
担任の先生の言葉を聞いてダッシュで日直の仕事を終わらせる。


まわりのクラスメイトは
「カラオケ行く?」
「これからバイト〜」
「彼女とデート」
など、放課後の話題でもちきり。


そんな話を聞きながら1人黙々と書く日誌。

わーん、終わらないよ。
もう20分も経っちゃった。
急がなきゃ。

私の書く日誌は一際字が汚いと思う。
特に木曜日に書く日誌は。

急がないと、彼が帰ってしまうかもしれない。

ふと窓の外を見る。

「やっぱり降ってきちゃったかぁ」

朝に見た天気予報の通り、雨が降ってきた。

今年の春は雨が多いなぁ。

高校2年生になり、新しいクラスにも少しずつ馴染めてきた5月中旬。

そんな私は1年生の時から友達がいない。
いや、正確に言うと中学生の頃から。
独りぼっち。

でも、寂しいとかの気持ちは不思議とない。

周りと群れる方が面倒くさく感じるし、女子のグループ的なのも苦手。

友達がいるから喧嘩も起こるし、グループに入るから揉める。

これは私の勝手な解釈。
いや、経験談。

なので、私は今の独りが楽で楽しい。
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