放課後の片思い

鈴原くんの彼女

あれから鈴原くんに家まで送ってもらい、バイバイした。


頭をポンポンとしてくれて、優しい笑顔でまた明日って。




「日和ー。お風呂入りなさいよー」

「はーい」



なんだか今日は色んな事があり過ぎて、身体が動かない。

なんだか眠くなってきた……。







「う…眩しい…」

ぼんやり時計を見ると6時50分。


「なんだ、まだ7時前…」

って、あー!!!


「お風呂入ってない!!」


結局あれから寝落ちしてしまった。

やばい!!お風呂入って準備してたらギリギリだ。



「急がなきゃ!!」




急いでお風呂に入って髪を乾かして準備。
洗面台で自分を見てふと思う。

「変わるんだよね。私」

自分に言い聞かせる。


だったら少しでも色んな事を変えていかなきゃ。




髪をくくる。

前は寝癖のせいだったけど、今日は違う。

自分を構いたい。

中身も見た目も少しずつ変えたいんだ。


そして
鈴原くんの隣に立てるようになりたい。




髪はこの前褒めてもらえたポニーテールにした。
というか、コレぐらいしか出来ないんだけど。




「お母さん、行ってきます!!」

いつもより大きめの声が出た。


「行ってらっしゃい。お弁当忘れてるわよ」

「あっ!ごめんね。いつもありがとう」


本当はね、ちょっとと言うかかなり不安。

昨日の今日で、怖いのもある。



でも、逃げない。
独りになりたくない。


今までの私とはさよならするんだから。



気合いを入れてドアを開けた。
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