最低な元カレにフラれたらイケメン医師に成長した幼馴染からの溺愛がはじまりました。
☆☆☆

生まれた子供は奈美と名付けられてあっという間に2歳になっていた。

よちよち歩きでも歩きたい盛で、デパートなどの買い物へ行くと途中でかならずベビーカーから降りたがった。

「なみちゃん、おりるー!」

流暢な言葉でそう言われ、いつもどおりベビーカーの中でぐずりはじめた奈美を抱っこして降ろすと、奈美はこちらの用事などおかまいなしに走り出す。

「稔、ベビーカーをお願い」
「あぁ」

ベビーカーを稔にまかせて奈美を追いかけていくと、男性にぶつかりそうになるところだった。

「ごめんなさい!」
条件反射的に謝って奈美の体を抱き上げたときだった。

その人の顔が視界に入って杏奈は動きを止めた。
< 64 / 86 >

この作品をシェア

pagetop