どんな君でも愛してる

ふたりの決意

 突然SUNAの社長から食事に誘われた。最後だから記念に食事しようと言われて断れるはずもなかった。父も一緒にと言われたが、父は断った。

 北野化学が離脱したこともあり、SUNAにとってはノアの俺がいなくなることは大変な危機で、これを機会に何か言ってくると想像できた。父からは社長からいくら過分な条件を出されても絶対に応じるなと厳しく言われた。

 約束の料亭へ行ってみると、そこには大学生くらいの社長に似た女性が座っていた。

「……え?」

「娘の京香だ。このあいだ大学でミスキャンパスに選ばれたんだ。わが娘ながら、美人だと思う。京香、彼が並木信也君だ。どうだ、カッコいいだろ」

 顔を赤く染めた彼女が俺をじっと見ている。確かに彼女は美人だが、俺には少し幼く見える。知性を感じさせる凛花とは勝負にならない。
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