どんな君でも愛してる

記憶

「気が付きましたか?」

 目を覚まして身体が動かないのはわかった。そして、看護婦さんらしき人が何かまた言った。

「……どうしよう、返事がない」

 バタバタと音がして、医者らしき人が目の前に来た。ライトを照らされ左右に振られる。

「見えますか?見えたら目をつむってください」

「あ……」

「しゃべらなくても目を一回つむるだけでいいですよ」

 言われた通りにテストをクリアし、名前を聞かれる。

「あ……」

「あなたの名前はかわむらりんかさんです。わかります?工場で倒れたんです」
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